日本のラノベ文化に失望している|異世界 vs SFハードボイルド

私は無職の異世界転生おじさんが美少女動物園でチヤホヤされる作品が読みたいのではなく、渋いハードボイルドなおっさんが無双する作品が読みたいのである。あるいは現実世界を舞台にしたSF作品が読みたいのだ。

ただ、そういう分野は、海外のほうが圧倒的に強いように思う。

「ジョン・ウィック」というティーンエイジャーがいかにも好みそうな中二病映画があるのだけど、日本のラノベ界であれに対抗できる作品ってほとんどないのではないだろうか。

オリジナルアニメーションシリーズなら「DARKER THAN BLACK 黒の契約者」という作品があり、あれは日本の漫画的な世界観もあってなかなか良かった。日本が海外に売り出すべき作品はこういう作品であると常々思う。可愛い女の子が可愛いことをするだけの作品をしこしこと量産している場合ではない。

けどギャルゲー原作の「シュタインズゲート」はなかなかよかったな。「ガンスリンガー・ガール」も良かった。

ラノベのいまいちなところは、ハリウッド的なエンタメをラノベの世界に落とし込めていないところにあると思う。漫画やアニメ・ゲームの世界はそれを当たり前のようにやっているのだけど、ラノベだけは異質であり、それがラノベをラノベたらしめているとも言えるのだが、しかしそれが私にはどうにも肌に合わない。

この世界には現実感を重視したリアル寄りのファンタジー(もといフィクション)と、現実からの完全な逃避を目的とした遊離的なファンタジーがあるように思うのだけど、ラノベは後者のものが圧倒的多数を占めているように思う。

最近のラノベは、いい年した社会人やニートがある日突然トラックに轢かれて、気づいたらなぜか中世ヨーロッパにいて、年下の可愛い女の子達と冒険始めちゃうようなものばっかりだ。

おじさんはこういうのはお腹いっぱいなので、もっとSF的な世界観のやつが読みたいのである。

いい年したプログラマやシステムエンジニアがある日突然通勤電車に轢かれて、気づいたらなぜか軍事施設にいて、年下の可愛い被検体達と逃走劇を始めちゃうようなのが読みたいのである。

そもそもなぜ現代は異世界物で溢れているのだろう。

思うに異世界物というのは「型」であり、日本人はもともと「型」が大好きな民族だったのだろう。彼らには共通認識を持ち寄って同じ土俵の中でワイワイしたいという欲求がある。そしてその型があるからこそ人々は団結し合ったり、想いを寄せ合うことができた。それによって様々な文化が発展していった。この「一体感」にこそ島国日本の本質があるのかもしれない。

そしてオタク産業では今、異世界がその型になっている。以前は「SF(時間、未来、宇宙)」や「メカ(兵器、機械、乗り物)」「学園」という型が主流だった。同じように「2ちゃんねる」時代には「やる夫」という型があった。それでも、当時のやる夫コンテンツには汎用性と多様性がしっかりとあったように思う(主に学ぶシリーズ、SSは知らん)。「異世界」にも十分多様性はあるが、異世界というものに興味関心の無い人間も多いのだから、この業界はもっと普遍的な型を模索していく必要があると思う。動画業界には「ずんだもん」と「ドリルヘア」のコンビの型が散見される(昔のやる夫とやらない夫の凸凹コンビみたいなもの)。ボケとツッコミの文化もまた日本的なものである。

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