CPUの使用率が過剰に上昇し、Mac(macOS/Mac OS X)やiOS(iPhone/iPad)の動作が重たくなることがあります。アプリケーションの動作が遅くなったり、アニメーションがカクカクしたものになります。もっさりとした動作になり、一時的にフリーズのような状態になる場合もあります。
どうやら「kernel_task」というプロセスがCPUを高負荷状態にしているようです。kernel_taskのCPU使用率が200%を超えた状態が続く場合もあります。
目次
kernel_taskが暴走する原因
kernel_taskが暴走する原因はMac側のCPUの発熱です。
熱くなりすぎたCPUを冷ますためのリミッターが働くことによって、今回のような処理低下が引き起こされます。
kernel_taskが高負荷になる主な原因や要因には、以下のようなものが考えられます。
- 負荷の高い処理が継続的に行われている
- 気温の上昇による、CPU温度の上昇
- 外部ディスプレイの利用による、CPU/GPUへの負担
- ハードウェア側の不具合により、内蔵ファンが正常に機能していない
対処方法と対策
熱対策が必要です。CPU温度の過剰な上昇を抑える必要があります。
- 負荷の高い処理を止める
- 室温を適切に調整する
- Mac本体の排気口の掃除やホコリ取り
- 外部ディスプレイを切る
負荷の高い処理を中断したり、部屋の温度を下げたり、Mac本体の排気周りやファンのホコリを掃除して通気を良くすることも大切です。外部モニタや4Kディスプレイの利用も、CPUやGPUへの負担になります。
最終手段としては、Mac本体に小型ファンや扇風機の風を当てて、Macの温度を物理的に下げる方法も考えられます。
ハードウェアの問題
他にも、CPU温度を下げるためのファンが正常に機能していない可能性も疑われます。SMCのリセットでこの問題に対処できる場合があります。
Mac の SMC (システム管理コントローラ) をリセットする - Apple サポート
問題が解決しない場合は、PRAM/NVRAMのリセットを試してみるのも良いでしょう。
Mac の NVRAM をリセットする方法 - Apple サポート
上級者の場合は、セーフモードでの起動を試してみるのも良いでしょう。セーフモード時に同等の問題が発生するかどうかによって、原因の切り分けや追求が可能になる場合もあります。
kernel_taskを強制終了してはいけない
kernel_taskは熱管理を行うプロセスですので、安易にプロセスを強制終了したり停止してはいけません。CPU温度の上昇が抑えられなくなり、さらなる不具合の発生や、CPUの寿命を縮めてしまう恐れがあります。
Apple製品の熱暴走について
Apple製品が急に不具合を起こすような場合には、熱暴走を疑ってみましょう。
熱暴走によってApple製品がフリーズに近い状態になり、機能しなくなることがよくあります。
夏場の室外ライブで、MacやiPadを活用するアーティストをよく見かけますが、熱暴走によるトラブルで演奏やパフォーマンスができなくなるケースをたまに見かけます。
これらの原因も、おそらく今回のようなCPUの発熱やkernel_taskの暴走が関係していると考えられます。
CPUの過剰な発熱はCPUやその他のハードウェアを破壊することにつながります。CPUの熱暴走を抑えるために、CPUのクロックダウンや、kernel_taskによるCPU利用率の制限が働きます。
これが、Apple製品のもっさりした動作、動作不良、プチフリーズの原因となると考えられるわけです。
これらの問題に対処するためには、製品本体の温度を下げることが有効です(# 対処方法と対策)。精密機器の、炎天下での利用には注意しましょう。
私の環境では、気温30度を超える状態で高負荷な処理を続けると、kernel_taskの暴走が始まります。