ネトウヨの左翼化|嘲笑的な2ちゃんねらーが増えた理由を考える

ここ数年、匿名掲示板の2ちゃんねる(5ちゃんねる)では、自国を貶めるような「日本下げ」の発言を行う者たちや、自民族に対する冷笑的な発言を行う者たちが急速に増えてきているように思う。

反日思想を持ったサヨク的なユーザが増えているようにも感じられる。
これは「はてなブックマーク」においても同様の傾向が見て取れる。

同じ日本人であるにも関わらず、自国民を「ジャップ」といって蔑視したり、他国による日本ヘイトを称賛するといった矛盾した行動をとっている。それはまるで自虐的・自傷的な行為にも映る。

2ちゃんねると言えば、もともとは「保守派の溜まり場」や「ネトウヨの巣窟」という印象が強かったが、最近はそういう者たちが、めっきりと減ってしまったように思う。

なぜこのような変化が起こったのだろうか。

  • この格差社会の拡大に伴って中間層と保守層が衰退したためだろうか。
  • スマートフォンの普及によって多様な人々がネットの世界に流入してきたためだろうか。
  • 社会への反発心が高まりやすい思春期の若い世代が増加したことも関係しているだろうか。
    • 近年若者の多く集まるSNS上では左翼運動のカジュアル化が起こっているようにも感じられる。
  • 2ちゃんユーザーの二極化と分散が起こってエコーチェンバー現象が顕著となったのだろうか。
  • まとめサイトがPV目当てに保守派を刺激する書き込みを取り上げるようになったのだろうか。
  • リベラル化する支離滅裂なコミュニティに嫌気が差して保守派が去っていった可能性も大きい。だとすれば「ツイッター」も「はてなブックマーク」もいずれは同じ道を辿って衰退していくのだろう。

おそらくだが、これは「保守派の退場」や「世代の交代」による影響はもとより、既存ユーザーの「心境の変化」による影響が大きいのではないだろうか。

要は、既存のネトウヨが左翼化してしまったのである。

これは偏見に基づいた勝手な想像なのだが、2ちゃんねるユーザーの多くは「友達のいない根暗」や「ひきこもり・ニート」といった社会不適合者によって構成されている。彼らは社会から拒絶され、居場所を失った人たちである。派遣労働者・非正規雇用労働者として国に酷使され続けてきた就職氷河期世代も多く含まれているかもしれない。格差の拡大と高齢化の進む日本社会の不安に押しつぶされ絶望している者たちも多いことだろう。

そうやって社会に失望した者たちが、次第に社会を嫌うようになり、国や社会、自民族に対して反日的・嘲笑的な言動をとるようになったとは考えられないだろうか。

居場所を失い自らの殻に引きこもる彼らも、最初のうちは余裕をこいて、ネトウヨ的な日本擁護を行っていた。高いプライドがそうさせていたのか、あるいはそれが社会との唯一の繋がりだったのかもしれない。もしくは単に優位な側に付きたかっただけなのかもしれない。

しかし歳月は流れ、扶養者の死が近づき、婚期を逃し、まともな職にも就けず、再就職への道も絶たれようとしている昨今では、とうとうその余裕も尽きてしまった。勝ち馬だと思っていた日本も負け続けの状況であり敗北感が募る一方だ。2009年の政権交代は大きな転機となっていたように思う。敵対していた民主党が政権を握り、彼らは敗北感と無力感を味わわされてしまったのだ。日本擁護に惨めさや馬鹿らしさを感じるようになり、それ続ける動機も気力も失われてしまった。

そこで彼らは、自身と社会に対して見切りを付け始めたのではないだろうか。

全てが吹っ切れた彼らは、社会との繋がりを捨て、社会を憎む道を取り始めたのである。

自分の不幸の原因は社会にあると考え始めたのだ。
自分を見捨てた国家にこそ責任があると考え始めた。

全てに絶望した彼らは、保守派の原動力である「現状維持」の欲求と動機を失い、社会の破壊と再生に希望を見出すようになってしまった。

昨今の混沌に満ちたネット社会の現状は、余裕を失った中立派や保守派が左翼化した結果なのではないか。

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