アンパンマンは、いわば社会を守るための抑止力として存在している。
大切な市民や国土を守るために彼は強大な力を保持している。
それはまさに脅威から身を守るための武力そのものである。
その武力が行使された結果がバイキンマンに対するアンパンチであり、
それは暴力ではなく自衛のための手段として正当化されうる。
アンパンマンは毎回その力を誇示しているが、バイキンマンは思いとどまることなく人を傷つけ続けている。
アンパンマンはその武力攻撃に対抗するために自衛権を行使している状況にある。
つまるところアンパンマンという抑止力はもはや機能していない。
アンパンマンの世界は既に戦争状態にあるといっていい。
アンパンマンは恐ろしいほどに絶望的な世界を描いた作品なのだ。
もはや暴力的とか子供の教育とか言ってる場合ではないのである。
次回
「アンパンマンと憲法9条」
おたのしみに。