韓国と文化の盗用
K-POPの韓国人アーティストが着物を利用し、あまつさえそれを自国の文化であるかのように装った場合、我々日本人も文化の盗用の痛みを感じるかもしれない。
今でさえ韓国企業や中国企業は、富士山や相撲、桜、侍、忍者を利用し、日本の高尚なイメージや高品質の印象にタダ乗りしたマーケティングを展開しているくらいなのだ。これは文化的かつ経済的な搾取であるために反発は必至である。
ことにK-POP界隈においては、すでに日本のアニメ風のファッションや、昭和レトロ・平成デジタル時代のノスタルジーを焼き増しする流れも見て取れるため、今後はそのような文化のタダ乗りや、文化の乗っ取りも問題視されるようになるだろう。日本の漫画やアニメが韓国で戦略的に実写化される動きも増えていくだろう。
今後、日本社会でも韓国や中国に対して文化の盗用を訴える風潮が拡大する可能性がある。文化的・経済的な搾取への反発とモラルの追及、そして日本の信頼とイメージを守るために、我々にも文化の盗用の剣を手に取る日がくるのかもしれない。
要するに文化の盗用という概念は、気に食わない相手に反発するための道具でしかないのだ。自分たちの既得権益が侵されたことへの反発に利用される存在なのである。
相手への日頃の嫌悪と、相手の横暴な姿勢に対する反感が合わさって初めて人は文化の盗用の恨みを抱くのかもしれない。
文化の盗用の本質は相手への憎悪なのだろう。
正義とは何とも虚しいものである。
文化の盗用が悪用される危険性
文化の盗用の概念はいずれその意義を失うことになるだろう。
日本文化のメジャー化を快く思っていない他国の民族が、人権派や日本人に成りすまして文化の盗用を意図的に主張し、日本文化の世界展開を妨げるようにもなるかもしれない。現にアリアナ・グランデへの批判や、着物を着た外国人幼女へのバッシングはその悪用の結果という側面があるようにも思える。
最近では日本の「Kawaii」文化を取り入れた黒人女性がSNS上で大きな非難を浴びていたが、これは逆に文化盗用の概念が「気に食わない黒人を叩くための道具」として悪用されてしまっているようにも感じられた。「目障りな存在を排除したい」という意識が透けて見えてしまうのだ。正義を隠れ蓑にした遠回しな差別が行われている。
鬱憤を晴らすためのバッシングや、意図的な文化の排斥のために、文化の盗用が安易に悪用されてしまう危うさがある。
また各国の人々が文化の盗用や文化の盗用に対する反発を恐れるあまりに、他国の文化を敬遠し避けるようになれば、文化の交流や発展も妨げられてしまう。それはあまりにも不健全な世界に思えてならない。これでは分かり合うこともできず、世界は永遠に分断されたままとなる。
CAソードとポリコレ棒
文化の盗用の概念は昨今の暴走するポリティカル・コレクトネスと何ら変わらない危険な存在ともなりうる。気に食わない相手を叩くための道具として利用される危険もあれば、気に食わない文化を陥れるための道具として利用される危険もある。正義の剣は所詮、自分たちを守るための道具ではなく、人を斬るための武器でしかないのである。危険な刃物は正しい用途で慎重に扱わなければならない。
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